日本を代表する社会学者、真木悠介(見田宗介)氏によって、現代社会の原理的構造を解明した『現代社会の存立構造』が刊行されたのは1977年。原著の復刻版に、高弟・大澤真幸氏による現在的な解題と展開論文を収録した、『現代社会の存立構造/『現代社会の存立構造』を読む』がこの度刊行された(朝日出版社)。
また、時を経ずして、在野の哲学研究者・吉川浩満氏が新著『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』を上梓した(朝日出版社)。吉川氏は、学生時代に真木悠介『自我の起原』、および、リチャード・ドーキンス『利己的な遺伝子』に出会い、進化論の知見が「私たち一人ひとりの自己理解をも変容させずにいないだろう」との予感に震えたことが、本書執筆のひとつの契機になったと言う。
この2冊の刊行を記念して、トークイベントを開催します。
恩師・真木悠介(見田宗介)の理論を吸収・包摂し、社会学/哲学/歴史学/科学を横断し、解放に向けて、人間と世界の独自の理論を展開・拡充しつつある社会学者・大澤真幸さんと、進化論という乗り超え不可能な哲学の内在的な確認とその受容の批判的読解を通して、人文知と科学の確執と限界、また、現在的課題の在処を追究する吉川浩満さんが、『現代社会の存立構造』の意義とその射程を語り合います。
∇『人間解放の理論のために』(1971年)から『現代社会の存立構造』(1977年)への接続はいかになされたか。後者と同年刊行の『気流の鳴る音』との関係をどう受け取ればよいか。読まれずに語られる『資本論』の何度目かの再評価が進む中、70年代における『資本論』読解を、現在に至る分水嶺として、いかに位置づけるか。
∇真木悠介(見田宗介)氏のその後の知的営為(『時間の比較社会学』『自我の起原』『現代社会の理論』『社会学入門』等々)とのテーマの分有・収束の様相を腑分けする。
∇これらを、テーマとして語り合っていただきます。なお、余裕があれば、大澤真幸さんの『〈世界史〉の哲学』(古代篇、中世篇、東洋篇が刊行ずみ、続篇は『群像』〔講談社〕に連載中)や同じく大澤さんの連載「社会性の起原」(『本』〔講談社〕)の問題圏と照らし合わせ、同時に、吉川浩満さんの『理不尽な進化』と接合させながら、重層的に論じていただきます。
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【プロフィール】 大澤真幸(おおさわ・まさち) 1958年長野県生まれ。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。社会学博士。千葉大学文学部助教授、京都大学大学院人間・環境学研究科教授を歴任。著書に、『行為の代数学』(青土社、1988年)『虚構の時代の果て』(筑摩書房、1996年、増補版2009年)『ナショナリズムの由来』(講談社、2007年、毎日出版文化賞)『不可能性の時代』(岩波新書、2008年)『〈自由〉の条件』(講談社、2008年)『社会は絶えず夢を見ている』(朝日出版社、2011年)『〈世界史〉の哲学』(古代篇、中世篇、東洋篇、講談社、2011–14年)『夢よりも深い覚醒へ―3・11後の哲学』(岩波新書、2012年)などがある。
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【プロフィール】 吉川浩満(よしかわ・ひろみつ) 一九七二年三月、鳥取県米子市生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。国書刊行会、ヤフーを経て、文筆業。関心領域は哲学、卓球、犬猫鳥、ロック、映画、単車など。著述に『心脳問題─「脳の世紀」を生き抜く』(山本貴光との共著、朝日出版社)、『問題がモンダイなのだ』(山本との共著、ちくまプリマー新書)、『音楽誌が書かないJポップ批評41ブルーハーツ/ハイロウズ ヒロトとマーシーの20年』(別冊宝島編集部編、宝島社)ほか。翻訳に『マインド─心の哲学』(山本との共訳、J・サール著、朝日出版社)など。
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開催日時:2014年11月14日(金) 19時~(開場18時30分)
開催場所:東京堂書店神田神保町店6階 東京堂ホール
参加方法:参加費800円(要予約・ドリンク付き) 店頭または電話・メール(shoten@tokyodo-web.co.jp)にて、「大澤さん吉川さんイベント参加希望」とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。 電話 03-3291-5181
※当日17:00より1階総合カウンターにて受付を行います。
参加費800円(ドリンク付き)をお支払い頂いた上で、
1Fカフェにて、カフェチケットと指定のドリンクをお引換えください。
イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。
尚ドリンクの引換えは当日のみ有効となります。