土田知則さん選書フェア「ポール・ド・マンルネサンスのために」開催中!


(ポスターには、ド・マンと同じくベルギー出身で、読むことの不可能性、
美学イデオロギー批判など、多くの問題を共有していたようにも思える芸術家、
ルネ・マグリットの写真作品を使わせていただきました)

現在、神田神保町店3階では、土田知則さんによる選書フェア
「ポール・ド・マン・ルネサンスのために」を開催しています
(2月末日まで開催予定)。

「読むこと」を考え抜いたポール・ド・マン(1919−83年)の思想は今なお鮮烈です。
ド・マンの生徒であった小説家・水村美苗さんの言い方を借りるなら、
火を知った人類が火の使用を放棄することが無いように、おそらく私たちは
「読むこと」を放棄することはあり得ない(水村美苗「この世紀末、文学に希望がもてるか」、
『日本語で書くこと』所収、筑摩書房)。
ド・マンの文学理論は、「読むこと」を放棄しえない人間への深い洞察でもあるでしょう。

土田知則さん(千葉大学教授。専門:文学理論)は、ド・マンの命日である昨年12月21日、
岩波書店より主著『読むことのアレゴリー』の翻訳と研究書『ポール・ド・マン』を
同時に上梓されたド・マン研究の第一人者。
選書フェアでは、ド・マンの思想を読み解くヒントとなる書籍を、
土田さんの選書コメントとともに展示しております。
ド・マンの著作にもコメントを頂いておりますので、
ド・マンの思想に近づく絶好の機会となることでしょう。
土田さんの選書コメントを収めたフェアのしおりも、会場にて配布しております。
出版社残部僅少本も多数出品。
ぜひご覧下さい。(フェア担当・三浦記す)

追記:2月6日、土田知則さんと巽孝之さんのトークイベント「ポール・ド・マン・ルネサンスのために」を
当店にて開催いたします。こちらもふるってご参加ください!↓
http://www.tokyodo-web.co.jp/blog/?p=4352