以前より度々東京堂書店3Fで発行・配布しておりました小冊子「三階」が装いも新たに生まれ変わりました。今回は第1回目よりジャン=リュック・ゴダール監督の新作「ゴダール・ソシアリスム」(2010年12月公開)の公開を受けまして、発刊された「ゴダール的方法」(インスクリプト刊 平倉圭著)の書評が中心となっております。近年のゴダール映画は極めて難解であると思われており、安易な言語化も論断も許さない作りは批評家泣かせであることは元より一般人には近づくことすら難しいというのが通例でした。よって観客はスクリーンで繰り広げられる暴力的かつ詩的、アナーキーで絢爛たる映画的スペクタクルに一瞬一瞬その身をゆだねるという仕方でしかそれを味わうことができなかったように思われます。そのゴダール作品に隠されているロジック、映画的な思考と知覚の原理をめぐり、哲学的で精緻な論考をすすめた本書をめぐる書評をお楽しみください。
第2号は大山載吉氏と小紙担当三浦との往復書簡で、内容は「ゴダール的方法」をめぐる応答となっております。