稲垣尚友さん トーク&サイン会「ナオの南風語り―平島放送速記録から」

ナオの南風語り『灘渡る古層の響き―平島放送速記録を読む』(みずのわ出版)刊行記念

昭和47年から4年間、トカラ諸島・平島(たいらじま)に妻子共々移住した経験等をもとに文筆活動を続けるとともに、安房鴨川で竹大工として生計を立てている稲垣尚友さんの新刊『灘渡る古層の響き―平島放送速記録を読む』(写真・大島洋共著)刊行記念トーク&サイン会を開催します。当日は「島の達人」として知られるフリーライターの斎藤潤さんを聞き手に、9月中旬の平島再訪時の写真を映写します。ぜひご参加ください。

開催日時 2011年10月8日(土)15:00~17:00(開場14:30)
開催場所 東京堂書店神田本店 6階
     東京都千代田区神田神保町1-17
地下鉄神保町下車徒歩3分。すずらん通り
参加方法 参加費500円(要予約)
*電話または、メール(tokyodosyoten@nifty.com)にて、件名「稲垣尚友さんイベント希望」・お名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。*開催前日以降は、東京堂書店(電話03-3291-5181)まで、お電話にてお問合せください。

「ナオの南風語り―平島放送速記録から」(みずのわ出版)内容ご紹介
* A5判上製353頁(CD付)/定価5040円
* みずのわ出版/2011年7月刊
* 装幀 林哲夫/写真 大島洋

[CONTENTS]
序 放送考古学
01 人のヤギの耳を切らないでください
02 忙しいために、何かとできないのです
03 みどり先生、電話です。寝ておっても、早く起きて……
04 わたしは毎晩泣いている
05 台風さなかの七夕選挙
06 電球ということができないのです
07 声が“うつる”
08 恩義が“暴力”をはぐくむ
09 水源地としても、あるだけは出しておるわけなんです
10 種牛の草がむずかしくなっています
11 盆
12 フレモン(触れ者)を呼ぶ遠島人
結 〈古層〉が〈いま〉を顕し出しえたろうか
ガジュマルの下の青春  森本孝(元日本観光文化研究所所員)
[付録CD]昭和49年(1974)6月27日-10月4日 トカラ諸島平島放送記録(73分34秒)

文―稲垣尚友(いながき・なおとも)
1942年生まれ。トカラ諸島での最初の暮らしは臥蛇島であった。その島が無人になってからは、ひとつ南の平島へ移る。「おじいさん、50年前の島の暮らしを教えてください」という民俗採集者が島に来た。それを聞いて、それなら、わたしは不確かな50年前よりも、確かな〈いま〉を記録して、50年後にやってくる人の資料を準備しようと決めた。著書の半分は孔版(ガリ版)印刷本である。『臥蛇島金銭入出帳』『臥蛇島部落規定』『トカラの地名と民俗(上・下)』などはガリ版本。『山羊と芋酎』『悲しきトカラ』『棄民列島』(以上、未來社)、『青春彷徨』(福音館)、『東シナ海の贈与』『日琉境界の島 臥蛇島の手当金制度』(以上、CD版本 NJS出版)などがある。生業は竹細工。ひとむかし前の職種名だと、カゴ屋。

写真―大島洋(おおしま・ひろし)
1944年生まれ。写真家。概ね60年代後半から70年代は岩手とトカラ諸島を、80年代は写真論誌『写真装置』の編集発行と東欧と西欧、90年代から21世紀にかけてはエチオピアとモーリタニアとイエメンなど、2000年代半ばからは神奈川と福岡を頻繁に往き来して現在に至る。この間に、写真集・著作として『幸運の町』(写真公園林)、『写真幻論』(晶文社)、『ハラルの幻』(洋泉社)、『モーツァルトとの旅』(朝日新聞社)、『リヒャルト・ワグナー』(国書刊行会)、『アジェのパリ』(みすず書房)など。編著書『写真に帰れ』(平凡社)、『再録・写真論』(淡交社)、『写真家の時代』ⅠⅡ(洋泉社)など。写真展は「三閉伊」「平島部落地図」「千の国、千の顔―エチオピア」など数多くある。